柴犬のblog

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逆転裁判が面白い

いまswitchで逆転裁判123をやってるんだけど、これは面白いね!

逆転裁判はアドバンス版で3までやってて、やり直すのは10年以上ぶりなんだけどけっこう覚えてるもんだ。ほとんど詰まることもなく普通に1をクリア。

で、1のリメイクについてる「蘇る逆転」をやってるんだけど、これDSでやったつもりでいたけどやってなかったわ。全然記憶にないんだもん。

逆転裁判の面白さはどこにあるのか。まあこれは言うまでもなく巧舟氏のシナリオと演出にあるのだけど、このうさん臭さとコテコテともいえるギャグ、突っ込み、このへんがついつい笑ってしまうというのがある。

それとやっぱりゲームシステム。裁判を扱ったゲームであるのに現在の法律が全く通用せずw、オリジナルの法秩序において進行していくんだけど、これはプレイヤーに情報を過度に与えずその場その場で嘘を見抜いて切り抜けていくという緊張感を与えている。最初に情報が与えられてそこから犯人を追い詰める形式はドラマなら成立するけどミステリーゲームとしては成立しないからね。まるでオープンワールドのように広大な現場から証拠を探していくようなゲームもあるけど、何をやればいいのかわからなくなってしまうから逆転裁判の形式はとても割り切っていて素晴らしい。

 

現実の裁判はそうはいかない。なにしろこの世界では逮捕の翌日に裁判があって、それも最大三日で終わってしまう。もちろん有罪になったあとは高裁で量刑などの審理があるとのことだけど、さすがにこれは乱暴だ。たいした取り調べもされず、証拠も調べられず、勢いで裁判が始まってしまう。

たまたま現場にいたというだけで(十分怪しいけど)無実の人がどんどん起訴されて裁判を受けることになってしまうのだ。事件が多すぎるから裁判を簡略化したのだろうという説明が入るけど、さすがにこれは冤罪が生まれすぎるし無罪が多くなるのも無駄というものだ。現実の刑事裁判は99%以上が有罪になることからわかるように、きっちり調べてから起訴されるのだから。無実の人が裁判にかけられるのは問題だし、裁判で無罪にすればいいという問題ではない。

それとなによりおかしいのは検察側が裁判が始まるまで捜査状況や証拠を秘密にすること。当日になってみないとどんな証拠が提出されるのか、どんな証人が呼ばれてどんな証言をするのかも完全に秘密。こんなのどう考えてもありえないw普通の裁判は書面でほとんど進行して実際に言葉を交わすのは一部だというのに、その場の勢いでのやり取りで進行していくのである。実際にこんな裁判があったらと思うと恐ろしいものである。

そしてもう一人の主役である御剣やその師匠である狩魔検事の存在である。彼らはダーティなこと(証拠や証言の捏造など)をしてまで有罪判決を取るという設定だけど、悪役である狩魔はともかく主人公級である御剣までそのスタンスなのはちょっといただけない。

序盤で御剣は「人は嘘をつくから事実は見抜けない、だったら私はすべての被告人を有罪にする」と言うんだけど、いやいやそれは違うだろう。100人の有罪の人を見逃したとしても一人の冤罪を作ってはいけないというのが法の精神なのに。まあ、このへんの話は「蘇る逆転」で明かされるらしいから続きをやってみるけども、それにしてもたとえば「逆転姉妹」では捜査の段階でダイイングメッセージが無意味であることや真犯人の存在は浮上していたのに、それを隠して被告人を有罪にしようとしているなど信念の方向がちょっとおかしくなっている。

それともうひとつ気になるのは制度が劇中オリジナルなこと。とくに司法組織の体系が意味不明であり、警察官が検事の部下で給与査定を左右できる立場にいることや、検察局とか警察局とかいう謎の組織があること。「刑事」が階級のように扱われてることなど。

まあ、このへんはスルーすればいいことなんだけど、毎回謎の組織が出てきて幅をきかせてきて一介の弁護士である成歩堂は振り回されてしまうという感じなんだけど、面白いからいいんだけど現実とあまりに違うと少し面食らってのである。

まあ、そんなことはともかく、事件の全容を全く知らされずに裁判が始まるというのはある意味エヴァQのシンジ君のようでもあり、どんどん先が気になるというのはマトリックスのようでもある。この引き込み方とギャグと突っ込みの妙、これが逆転裁判の魅力なのである。これは今やってもおもしろいし、やったことのない人はswitchやPS4の綺麗な画面でやりなおすのもまた一興であろう。

 

個別のエピソードの感想なんかはまた書こうかな。