柴犬のblog

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楽天が日本郵政と資本提携

報道によれば楽天モバイルは第三者割当増資によって2500億円もの増資を行い、そのうち1500億円を日本郵政が負担するという。いやあこれはびっくり。

というか、このニュースを前向きに聞いてる人もいるだろうけど、個人的には三木谷さんは大丈夫大丈夫言うわりに資金が足りてないのかなと思った。まあ、携帯事業っていうのは新幹線と同じで絶対儲かる事業だということになってるし、どんどんアンテナ立ててるから大丈夫いけるって言ってるんだけど、いまだに0円で運営しているのだから現状では完全なる赤字なわけで、この4月から無料期間が終わる人も出てくるし、四月の頭で新規1年無料キャンペーンは終わるからこれから収入になるんだろうけど、はたして何人がこのまま無料期間が終わっても満額払うというのだろう。

この状況での増資なんだから、やっぱり資金が足りないんだろう。あのソフトバンクですら免許まで取っておきながら他社を買収して参入しているのだから、インフラ整備というのはお金があればすぐ出来るってものではないのがとてもよくわかる。

それでも大丈夫大丈夫言って参入しているんだけど、この携帯事業が楽天全体を赤字にしているんだから恐ろしいものだ。このままコケたら楽天自体が潰れてしまうだろう。

 

さて、楽天モバイルはこのまま普及するだろうか?

個人的にはノーだと思っている。理由はいろいろあるが、まず第一にエリアが狭すぎる。これはそのうち改善するということだけど、1.7Ghz帯域を一つしか持たないのでこれで全国エリアを展開するのは不可能に近いだろう。

他の三社は5バンド以上を保有していて、いわゆるプラチナバンドも持っている。東名阪など過密地域専用のバンドもある。でも楽天は一つしかない。

電波には特性があり、周波数が低ければ建物を通り抜けたり回り込んだりして使いやすい。周波数が高くなればなるほど光に近い性質を持ち、跳ね返り易くなる。CDMAにおいては反射した電波も使えるようになってはいるものの、建物内に通りにくくなる。地方では山に反射した電波も使えるわけで、エリア展開が楽になる。ゆえにプラチナバンドと言われるのだ。

現在楽天モバイルでは「パートナーエリア」として非楽天エリアではauのプラチナバンドを借りているけど、au全体のうちほんの一部なので、それでも現状のエリアはずいぶんと狭い。個人的にもちょっと山のほうに行くと圏外になるのでさすがにこれはメインにはできないと思う。しかもこれは楽天エリアが広がると自動的に外されるようになっているので、場所によっては突然つながらなくなる可能性がある。

バンドが少ないのはエリアの問題だけではない。複数のバンドの電波が飛んでいる状況では、CA(キャリアアグリゲーション)といわれる技術で、複数の帯域を束ねて同時に使える。LTEではこれによって1Gbps程度の速度が出る(理論値)。実測でも100や200Mbpsは条件が良ければ出る。ところが楽天はバンドが一つゆえCAが使えず、そういった驚異的な速度が出ることはない。

まあ、そんな速度別にいらない、普通に使えるだけ出ればいいというのもわからなくもないが、ahamoなどで料金が同等になってしまうと、たとえ使い放題だとはいえつながらない遅いでは乗り換えようと思う人も多くはないのではないだろうか。

 

使わなければ無料

四月からは一人一回線に限り、1GBまでの通信は無料、当然通話も無料になった。つまり1年たって無料期間が終わったとしても、あまり使わなければ無料なので、わざわざ解約することもなくなった。これはけっこう画期的で、SIMの入ったスマホを持ち歩かなくても、楽天linkをインストールしてあるスマホがあれば、通話は無料になるのだ。ただし、別の通信手段が必要で、それがモバイルならギガを消費する。Wi-Fi下ならもちろん無料だ。

多くの人はギガを使い終わったら低速になる契約のSIMを持っているだろうから、楽天を契約しておけば通話料は無料になる。これはかなりおいしいと思うけど、だからって楽天はいくらも得をしない。その番号へかかってくる電話があれば接続料くらいは儲かるのだろうけど、かけてもらうのはメインの(たとえばドコモ)の番号であれば、楽天は儲からない。そうなると契約者数は伸びてるけどARPU(一人当たりの収入)は相当低い水準になるのではないだろうか。

もちろん都市部に住んでいて、あまり地方に行かないような人だと、使い放題なのだから光を引かずに済むということもあるかもしれない。そのうち5Gエリアが広がってきたらそれこそネットゲームにも耐えうるかもしれない。そういう人は楽天に乗り換えてもいいと思うけど、やはり帯域やエリアに不安があり、それが解消されるのは何年後かわからない状況では多くの人が乗り換えようとは思わないのではないだろうか。

そこへきて大手が同水準のプランを出してきたのだから、これはもう楽天潰しのプランではないかとすら思える。もちろん大手の新プランにもいろいろ制限があって、それがネックで乗り換えられない人もいるだろうけど、大手から楽天に乗り換えるよりは制限は少ないと思う。だってドコモならドコモをやめてしまったらドコモのサービスは受けられないのだから、少々制限があってもドコモに残りたいと思う人のほうが多いだろう。

こう考えていくと、楽天に大喜びで乗り換える人というのはかなり限られているのではないだろうか。

さらに言えばMVNOの存在である。大手の格安プランは楽天潰しであると同時に格安SIM潰しであるともいえる。追随している会社もあるが、数百円くらいの差でしかないから、わざわざ乗り換えるというレベルでもないだろう。20GBもいらない人用のプランも拡充されてきているが、それなら楽天も段階プランになるので通話料が無料であることを考えると小容量は料金的には楽天が有利だが、エリアに関しては大手と同じであるMVNOのほうが有利だろう。

増資を受け入れる先がある以上、まだいけるという判断なのだろうけど、このように楽天が大手3社を脅かす存在になることは考えにくい。せいぜい格安SIMのシェアを奪えるかどうか、というところだろう。

何千億も投資してアンテナ建てたとして、それを取り戻すのに何年かかるのだろう。その間に楽天本体の体力が持つかどうかだと思う。

個人的には使わなければ無料なのだから維持するし楽天linkは使うつもりでいるけど、このニュースをきいて楽天大丈夫か?と思ったのだった。