柴犬のblog

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SF作品におけるケータイ端末

近未来を舞台にしたSF作品。ロボットやら空飛ぶ車やらそういうものはどんどん出てくるけど、意外とケータイ端末はあまり出てこなかったりするのだ。
昔のヒーローものでは腕につけた通信機で通話する場面はよく見られたが、なぜかアニメ作品ではそういうものはあまり出てこない(出るのもある)。
とくにガンダムなどのリアルロボット系、SF系の作品においては実社会でケータイが流行った後にまるまでほとんど出てこない。そこで、個人的に印象に残っている通信事情、通信デバイスについて語ろうと思う。

まずガンダムだけど、基本的に据え置きの通信機や軍隊用の通信機しか登場しない。それもミノフスキー粒子濃度が濃い場面では使い物にならないので、現在の100年後くらいのお話ではあるが、誰もケータイなど持っていない。

次に銀河英雄伝説
作品が発表されたのはガンダムのちょっとあとくらい。舞台は千年以上先の話だけど、超光速通信やワープ、慣性制御などのSF要素はきちんとあるのに誰もケータイを持っていないのがおもしろい。緊急時でも公衆電話を探して連絡したり、ナンパした子と写真を撮り「じゃ、写真できたら送るね」などと言ってる始末。そのカメラ、本体からにゅーっと三脚が伸びてくるあたりがちょっと未来っぽかったりする。
まあ、舞台が宇宙である以外にはSF要素は極力排除する方向だったという話もあるが、ヤンが端末の操作が苦手だったり、ナレーションが「人類は紙より便利なものを発明しえなかった」などというに至っては作者がデジタルに疎かったのかなと思わなくもない。
ちなみにリメイク版では「空中に映像が投影されるタブレット」などが普通に普及しているので、携帯くらい誰でも持ってそうではある。

さらに同時期の作品としては「機動警察パトレイバー」も挙げたくなる。
80年代後半に発表され、その10年後の近未来を描いた作品であるが、作中ではポケベルしか普及していない。レイバーに関する描写がとっても現実的である(OSで制御されていて、暴走ウイルスなどの事件が起きる)のに比べて陳腐ではあるが、これが当時の「現実」であるから、誰もが携帯電話を持っているというのは当時からすると10年後の未来としては非現実的になるのかも知れない。

それから時代は進んで「東のエデン
この時代になるとiPhoneなどのスマートフォンが登場しかけてた時代でもあり、ガラケーは普及しきっている。この時代の作品は「未来的なガラケー」が登場する。本作品では「ノブレス携帯」と言われるものが主人公や同じ立場の人物に配布され、電子マネー決済だったり状況把握などに使われたりする。
これがまた普通にかっこいいんだよね。ごつい折り畳みケータイなんだけど、開くとスマホみたいな感じになっている。モックなども作られていたけど、これ発売されたら普通に欲しいと思ったものである。
舞台設定としては普通にネットが普及していて、作品の根幹部分であるSNSなども普及していて、今とそうかわらない感じである。

そしてこれも東のエデンの同時期の作品である「マクロスF」。
舞台設定は100年後くらい?移民船団の中のお話である。船の中とはいえ中は巨大であり多くの街が存在している。そんな近未来の世界でも、携帯端末はガラケーの発展形といった感じである。デザインはかなり自由度があり、ランカ・リーは柔らかいぬいぐるみ状のものだったり、それぞれが個性的な端末を所持している。メールやwebなども使えるが、その場合は空間に投影するなどの方法を用いるため、画面は存在しないかごく小さなものしか搭載していない。

これからあとの作品になると普通にスマホを持っているか、近未来ものであれば空間に投影できるタブレットだったりと、スマホやPCの進化系のデバイスが普通に採用されるようになっていくようである。

個人的には「未来のケータイ」は空間投影は恥ずかしいのでやめてもらいたいが、折り畳みや二画面などが増えてくるんだろうと思う。その中で通信部分をモジュール化して、好きなデザインの「ガワ」に装着して使うような、マクロスF方式の時代が来るといいような気がする。
携帯電話が固定電話の受話器のデザインからストレート型、折り畳み型へと進化したように、スマホもいまの単に薄い板きれのようなデザインから、そろそろ変革の方向へ向かっていくのではないだろうか。