柴犬のblog

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飯塚元院長を憎む人の怖さ

 

池袋での暴走事故、痛ましい事故だとは思うけど、その加害者へのバッシングが謎で極まりない。
そもそもあれは単なる過失事故であり、加害者が邪悪であるというたぐいのものではないはずだ。過失事故なんて誰でも起こし得ることで、ちゃんと反省して罪を償えばそれでいいはずだ。でも、まず逮捕されていないことで大騒ぎする人がいる。今更言うのもなんだけど、上級国民だから逮捕されないんだとかなんとか。
高齢だとかケガしてるとか逃亡の恐れがないだとかのときは逮捕されないこともあるといくら説明しても、一度思い込んだら絶対に認識を変えない人たちにはその言葉は届かない。
在宅での捜査の場合、検察への送致まで数か月かかるのが当たり前だといくら説明されても、このまま放免だろうと言ってきかない。何もおかしくないといくら説明されても、上級国民だからを連呼するのみ。というか、「逮捕」を刑罰かなにかと勘違いしている様子が見られる。彼らにとって犯罪者は逮捕される、というのがどうやら決定事項のようだった。そういえば、別の事件では保釈も無罪放免と勘違いしてる人もいた。金持ちは犯罪も金で解決できていいな！みたいな話をしている人もいた。

基本にあるのは圧倒的な無知、非常識によるものだとは思うんだけど、そもそもなぜ加害者をそこまで恨む必要があるのだろうか。自分の身内を殺されたわけでもなければ、知人なわけでもなく、また反省してない様子を見せていたかといえばそうでもないわけで、勝手に謝罪していないとか反省していないとか理由をつけ加えて恨んでいるようだ。

なぜなんだろう。とても不思議に思ったからいろいろな人にきいて回ったのだけど、ほとんどの人は答えてくれない。金を積まれて火消しに回っているのか？などとも言われた。恨んで当たり前だと思ってるのはわかるんだけど、理由を言えないってどういうことなんだろう。

そしてそんな話もみんな飽きてきたころ、加害者のインタビューが公開された。最初にまず謝罪をし、責任をずっと感じていると述べた後、年寄りが運転しても大丈夫な車が出来たらいいと（余計な）ことを言ったものだから、ここに例の人たちが噛みつく噛みつく。「奴は事故は車のせいだと言い切った」というのだから開いた口がふさがらない。
実際、文脈を無視してそう受け取れるような見出しをつけていたニュースもあったし、どうもマスコミが元院長への恨みを誘導しているようにも思える。自分はテレビなど見ないけど、ワイドショーなどではもっと酷かったのかもしれない。

まあともかく、このインタビューがまた火に油を注いだみたいで、また大騒ぎを始める人たちが出てきた。曰く「全く反省していなかった」と。いやいやちゃんと全部見なよ。文章になってるのも画像も出回ってるんだから。ちゃんと反省してると述べてるじゃないか。そのうえで車が安全になればいいと希望を言っただけだろう。
今からでも法律を作って厳罰にすべきだなどと言っていた議員もいた。法の不遡及という原則すら知らない人が議員をしているのも驚くけど、それを肯定する人もまた多くいた。世も末である。

たかだか（といったら語弊があるが）過失致死で重罪にしていたら、誰も怖くて車なんか運転できないだろう。もちろん事故が起きないように注意して運転しているけど、人間何が起こるかわからない。ふとミラーを見てる間に飛び出されてブレーキが間に合わなかったなんてことも起こらないとはいえないだろう。そう、過失事故なんて明日は我が身である。
歩行者側にも過失があるから飛び出すのだし、こちらもそれに気づかなかったら過失である。誰も極悪人ではない。それなのに重罪にするというのは社会秩序に反する。法の遡及などは言うまでもない。
過失だから罪が軽く、故意だから重い、というのはその重大性、危険性、違法性からして議論を待たないほど自然な話だ。


そしてさらに理解不能なのが「フレンチの予約をしていた」という情報。どんな用事で運転してたは事故と何も関係がないではないかｗｗｗｗｗ
これをね、「予約に遅れそうだから無謀な運転をして急いだ結果事故になった」という風に受け取った人がまた騒ぐ騒ぐ。もう外出の理由がなんだって叩ければいいというレベルである。
もうここまでくると理屈もなにもあったもんじゃない。理由なんかいらない、厳罰にしろ、処刑しろ、ただそういってるだけだ。なぜ加害者をそこまで憎めるのか？合理的な理由をいくら聞いても教えてくれない。むしろさらに発狂してこっちに矛先を向けてくる。
これが一人や二人ならともかく、けっこうな数がいるから恐ろしい。

でまあ、普通に理由を考えると、やっぱり「逮捕」が刑罰だと勘違いしてて、それを免れるのはおかしいという前提と、彼の経歴、成功者であるというところを嫉妬しているんだろうと、そうとしか考えられないんだよね。そして、一度勘違いをしたらいくら事実を並べられても絶対にそれを受け入れない。これは一部の人格障害や精神障害がある人がそうなんだけど、普通はこれでもかと事実を突きつけられたら勘違いだったのかと思うものだけど、それがどうも脳の構造上だか知らないけどできない人がいるらしい。

そういう人がいつまでもいつまでもネチネチ叩いているんだろうと思う。そして彼らはそれが間違ってるという自覚がないものだから、正義だと信じている。昨今、謎の義憤にかられて関係ない人の個人情報を広めたり無関係の人を叩いたりする例もあるけど、その手の人というのはかなりの数いるし、普段は常識の傘に隠れていても、ネットという無法地帯となるとそれが増幅して発揮されてしまうんだろうと思う。

この手の人はいろんなジャンルにいて、冗談としか思えないような主張を平気でするから怖いというか、そういう人がそのへんにごろごろしてるという事実も恐ろしいのである。