晩節を汚した高須院長

愛知県知事リコール問題はすごいことになってますね。

なにしろリコールに必要な数に全然足らないばかりかその8割以上が不正だったというんだからすごいことだ。よくもまあ、こんなに大胆な不正をやろうと思ったものだ、開いた口がふさがらないというレベルの話だと思う。

高須院長や関係者は不正を指示した事実はないと言ってるけど、じゃあ誰がやらせたのかという問題がある。知事側の人物がスパイとして潜り込んでるとか言われても、それを見抜けない時点でどうかしてるし、そもそも名古屋の求人サイト経由で佐賀県で偽造が行われたということまで分かってて、しかもその署名を受け取って提出しておいて「知らなかった」とか「スパイの仕業だ」なんてのはさすがに無理があるだろう。

リコール運動の事務局長という人物は、佐賀で署名が作られたことを把握していて、その多くが署名として成立しないような代物だったので破棄したと語っている。でもそのうち体裁が整っているものを提出していて、それがばれてしまっているんだから、この人がどうも怪しいよね。不正があった名簿は誰が業者から受け取って誰が提出したのか怪しいものだけど、怪しいから破棄できる立場の人が「これは使える」と思って提出したようにしか思えない。

あとは誰が指示したのか、経費は誰が払ったのかということだけど、これはもう高須院長の関与があるとみて間違いないだろう。この事務局長がどういう人物か知らないけど、この人が独断でそんな大胆なことするとは思えないし、自腹切って数万筆もの署名を書かせるだけの費用を出すとも思えない。少なく見積もっても数百万の経費がかかっているだろうから。

このへんは捜査が進めば明らかになるとは思うけど、個人的にはこの署名そのものが胡散臭いというか、嫌いなタイプの人たちがやってるのもあってどうせうまくいくわけがないと思ってたし、気持ち的にも失敗してほしいと思っていた。

もちろん愛知県知事のやったこと（昭和天皇の写真を燃やすような作品の展示に加担し補助金を出していた）は褒められたことではないし、そんな奴は政治家どころか人としての資格がないとは思うけど、それとリコールは別の話だ。

知事というのは選挙で選ばれたのだから、それをやめさせるのも選挙によって行われるべきだ。任期途中でやめさせるには相当厳格な選挙に代わるレベルの制度によってなされるべきだ。だから有権者の三分の一以上というとても大きなハードルを乗り越えなければならないのだ。

そして、その理由としては知事なら県政に多大な害をもたらしたとか、重大な公約違反があったとか、主に政策面での問題、または犯罪だの不正に関与していたとか、人物に問題があり県民に害を与えるような場合に行うべきで、単に自分と考えが違うとか嫌いだとかそういう理由で行って良いものではない。

今回の場合、単に「ネトウヨが気に入らない展示を許可した」というだけで、なんら権限を逸脱したことをしたわけでもないし、不正に報酬を受け取ったわけでもない。つまりとくに県民に被害を与えたわけではない。その是非は裁判なり議会なりで問えばよいものであって、リコールするような内容ではない。いくら嫌いな奴だからってそういう部分を逸脱するような要求をするものではない。

もし大村知事が知事たるに及ばない人物だというのなら、高須院長本人なり彼が推す人物なりを選挙に出して当選させればよいのだ。これに関しては有権者の好みで選ばれるのだから、彼らの言い分が正しいと思う人が多いのならそのような選挙結果になるだろう。

このように、リコール請求自体が非常識というか、通るわけのないものというか、いうなれば運動をすることのみが目的で要求が通るとはあまり考えてない、左翼系の人がよく起こす無茶な訴訟みたいなものだと言えるわけだ。

もちろん彼らはそこまで開き直っていなかったのだろう、こんなひどい人が知事だとしれば多くの人が賛同してくれると考えたのだろう。ニュースにもなったしネット内外でもそうとう活動していたらしいのはわかる。でも、愛知の有権者のほとんどは署名しなかった。実際に集まったのは2万人分くらい？成立するのに必要な60数万人にはまるで満たない数だ。これでは格好がつかないから、どうせ無理でも水増ししようと考えたのだろう。偽造のアルバイトの募集が署名提出期限の2週間くらい前だったというのだから、相当ギリギリになってやってるのが分かる。

もしこれがスパイによるものなら、もっと早くやらせていただろうし、どうせやるなら成立する数くらいを作るだろう。その方がインパクトあるからね。成立には程遠い数しか集まらないのに偽造させる利点というのを考えると「敵陣営」ならもっと派手にやらないと意味がないが、「味方陣営」だとしたら通ってしまうほどの偽造なら見つかったら大変だけど、少し水増しするくらいならいいだろう、格好がつくし、と考えたのならそちらのほうが自然だと思う。まあこのへんは推測に過ぎないが、双方の立場に立って考えると、スパイの仕業というのは考えにくいし、もしそうならとっくに自分で特定して警察に突き出していることだろう。そうしない理由は身内に犯人がいるからだと思って差し支えないと思う。

ほかにもこの件では言いたいことがあってね、高須院長だけじゃなくてこの運動に賛同している面々というのがちょっと嫌いな人ばかりというかダメなネトウヨ有名人が集まってるというか…。百田尚樹とか有村香とか竹田恒泰とか…そういう面々だからというのもあってね、うさん臭さしか感じてなかったんだよね。

この人たちのことが嫌いな理由はいくつかあるんだけど、まず一番に言えるのは品がないこと。そして自分の考えに賛同しない人を口汚く罵ること。間違いを認めないこと。たいして裏も取らずに感情で判断してしまうこと。つまり本当に「ダメなネトウヨ」というか、ダメな活動家そのものだから。まあイデオロギーに基づいた判断をするだけでも嫌いなのに、そのうえ品がないんだもん。保守系のツイート見てるとたまに流れてくるけど、こういう人たちを保守と言ってほしくないね。とくに百田と高須は生理的にダメなのでブロックしてます。

自分もよくあっち方面の人にネトウヨって言われるんだけど、そう呼ばれて別に嫌じゃないけどこの人たちとひとくくりにされるのはちょっと嫌かな。

自分は保守的なことを言うけど、根底にあるのは「論理」なので、現実や論理とかけ離れた主張には「NO」と言うよ。とくにネトウヨが大嫌いな中国には何をしてもいいのだ、というような主張が大嫌いでね。まあこの話はそのうちしようと思う。

というわけで、高須院長、いくら善行を重ねていても人生の終盤にこういうことをやっちゃうと、晩節を汚したということになってしまうわけですから、早く現実を受け入れて潔く生きて頂きたいと思います。