柴犬のblog

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デスノートが面白い件

最近暇な時は漫画アプリで無料漫画を読んでいるんだけど、最近の漫画はだいたい有料部分が多くて途中までなんてことが多いので、もっぱら全部タダで読める古い漫画を読んでいる。

その中で最近改めて読んでみているのがデスノートである。原作は何回か見てるし、アニメも全部見てるくらいには追いかけていたし、それなりに流行ってもいたので相当印象深い作品だった。

アニメの出来もすごく良かった。でも一部のエピソードが丸々カットされていたりしたのが残念だったかな。その辺や追加エピソードなんかも含めてそろそろリメイクするのもありなんじゃないだろうか。

この作品にあたって、多くの人が語るのがライトの馬鹿さ加減であろう。わざわざ偽のL(リンド・L・テイラー)を殺すことはなかったし、その後のFBIを殺したのもはっきり言って余計なことだろう。そもそもレイ・ペンバーがライトを調べるようになったのは警察の情報をハッキングしていたからだし、それもなければ警察関係者が疑われることもなかったはずだ。

そういったことをせずに粛々と裁きを行なっていれば、ノートの存在が明らかになっていない以上は絶対に見つかることはないだろう。ライトが求める悪人のいない世界というのは結構簡単に実現できていたのかもしれない。

しかし、それではお話にならないので、ライトには「Lを殺す」という別の目的が出てきたわけだ。これでライトは警察の内情を調べる必要が出てくるし、自分に疑いが向けられることでLにも近づけることになる。実際そんなことする必要は全くないんだけど、ライトの子供っぽい性格が災いしたということにはなっている。

当初はライト自身は自分に疑いがかかるだけで負けだと思っていたようだけど、実際Lはライトを見て彼がキラだと確証を持ったようだし、実際Lの洞察力はすごかった。物語序盤で犯人を見抜いていたのだから。とはいえ証拠がないので言い切ることは避けていたけど、ライトじゃなきゃ誰だよ、というレベルではあったが。

そのライトも結果的にLを追い詰めることにもなるとあえてそこは気にしなくなっている。このようにあえて見つかるような行動に出たのにはLを葬るという目的ができたからではあるが、単に地味にノートに書いてるだけではつまらないという「物語の都合」という理由で片付けてしまうのもミステリーとしてはどうなのかというところはある。

それにしてもFBIを殺す場面は前半の見せ場の1つではあるが、流石に大胆に動きすぎではないだろうか。いくらフードを被っていても全く監視カメラに映らずに行動できるだろうか。今のようなマスク社会ならともかく。でもまあ、周囲の人を操ることで難なくFBI全員を殺害することに成功してしまう。実際に接触したのはレイ・ペンバーだけだったが、ここでライトの致命的な癖が出てしまう。

それは、死にかけてる人に自分の正体を明かして勝ち誇るという致命的な癖である。この癖のおかげで最終的には破滅するのだが、それはまだ先の話だ。

そして前半最大の見どころといえば、レイの婚約者である南空ナオミとの遭遇であろう。レイが調べていた相手にキラがいる、という現状のライトにとって致命的な事実を捜査本部に知らせようとするナオミ。たまたまその場面に居合わせることができたライトは何とか外に連れ出すことに成功する。そのまま名前を聞いてノートに書こうとするも偽名だったので死なない。ここで彼女から本名を聞き出そうとするシーンは相当に緊張感があった。ライトは一応主人公ではるが作品上は悪として扱われているんだけど、読者の感情移入相手ではあったから、見つかるのか見つからないのか、というドキドキ感は相当なものである。

 

さて、前半最大のピンチを乗り越えて物語はさらに進んでいく。今度Lが採った策は自からライトと同じ学校に入学して「私がLです」と名乗ることだった。これも当時は相当にびっくりしたものである。Lはキラは顔と名前が分からなければ殺せないと判断し、本名を誰も知らない自分が殺されることはないと踏んだのだった。まあ、現実問題としては死神の目の取引をしていれば顔をみれば殺せるのだけど、ライトは最後まで自ら目の取引をすることはなかった。これも物語の都合といえばそれまでだけど、もしライトが目を持っていたらこの時点で第一部完になってしまうから仕方ない。まあ、ノートという圧倒的に有利な状況があるのにあえて寿命を半分位する必要はないとは思うし、自分も取引はしないと思うけどね。

で、このLと名乗ったシーンと、その次のテニスで対決するシーンも見どころの1つだと思う。ライトはLを殺す気満々だし、Lもライトを捕まえるつもりでいるわけで、お互い敵同士なんだけど、知能やテニスで自分と同等の力を持つ相手が見つかって嬉しそうにしているように思える。Lはその後ライト君は友達だと発言しているけど、これは自分を殺そうとしているキラとしての判断を鈍らせる目的だけではなく、意外と本音立ったのかもしれない。これは両者ともモノローグでは否定していたけど、もしこんな形で出会わなければ親友になれたであろうことは疑いない。そういった悲しい出会いというのもまたこのシーンの見どころだと思うのである。

 

そして次はライトにとって最大の誤算、弥海砂である。こいつが勝手にマスコミにメッセージを送ったりするものだからライトが困惑する。だめだこいつ!何とかしないと!は爆笑ものである。この第二のキラ問題でライトは相当に追い詰められるし、Lもライトがキラである確信をさらに高めたように思える。

結局、ミサは相当に証拠を残していたので、ビデオの方から特定されてしまったのだが、この先の展開はちょっと無理があるように思える。ノートという決定的な証拠が出なければ殺人容疑(というのも変だが)はかからないのだろうけど、状況的に圧倒的に怪しいというか第二のキラであることは確定している。なのになぜか監禁と尋問だけで終わっている。キラとしての記憶を失ったとしても証拠がこれだけあるのに監視付きとはいえ監禁を解かれるというのはちょっと不思議だったな。

しかも状況的にいえばそのミサとこのタイミングで仲良くなっているライトがキラなのも確定している。このことはLもはっきり言ってるんだけど、何しろ証拠がないし本人に記憶がないのだから仕方ない。ともかく、両者とも監視をつけるということで監禁は終わった

そしてキラとしての記憶とノートを失ったライトとLが協力してキラを探すわけだけど、このシーンがさっきもいった「別の形で出会っていたら」の1つの可能性だろう。二人で共通の敵であるヨツバキラを追い詰めていく。ヨツバが怪しいと目をつけるのが少々強引な気がするが、ノートで殺すとどうしても不自然な死が連続してしまうわけで、これはまあ許容範囲だろうか。

ともかくライトとLのタッグというのが見ててとても頼もしいし、元のライトの性格というのはこういう純粋で正義感の強いものだったのだろう。このライトがとってもかっこいい。そしてLと仲良しなのがとても微笑ましい。ずっとこの状況を見ていたかったけど、それは長くは続かない。そう、ヨツバキラが捕まってしまうからだ。

そこでノートを取り戻し、「計画通り」の有名なコマになるわけだけど、今までの純粋で正義感が強く、Lとのベストタッグを組んでいたライトから前の性格が悪くて人を利用して自分のために使い捨てる性格に戻る、わっるい顔に戻るシーンである。これが残念でもあり「キラおかえり」と言いたくもなる、絶妙なシーンなのである。

しかし、ここでノートの存在が明らかになってしまうので、今後のキラとしての活動は相当に制限されてしまうことになる。

 

長くなってきたからとりあえずここで一旦区切ろう。