柴犬のblog

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デスノートが面白い(ヨツバ編)

やっぱりデスノート面白いね。先の展開知っているけど細かいセリフなんかは覚えてないから、彼らの考えていることがいちいち嚙み合ってて面白い。

さてヨツバ編だけど、これまでのライトとは違ってキラとしての記憶を失っている状態でLと共同で捜査して自分のノートを託したキラを捕まえるという展開。

この記憶を失っているライトというのが、物凄い優等生でいいやつで頭の切れる純粋な正義感を持っていて非常に好感が持てる。ノートを使ってるときの悪い顔のライトも面白いんだけど、素の性格がこうだと実際にライトは純粋な人間で、本気でノートを正義のために使っていると思っているのだろう。こういうのを確信犯というのだけども。

それにしてもこのライトはかっこいい。Lと共闘しているこの状況が本当にいい。これぞ少年漫画の主人公といった感じだ。でもライトは記憶を失っているだけで実際はLを殺そうとしているし、Lのほうもライトが(元)キラだということを信じて疑ってないのである。ドキドキするよね。

で、ここでの最高にいいシーンが「この僕が、今存在するキラを捕まえたその後で…キラに、殺人犯になると思うか?そんな人間に見えるのか?」と真剣な眼差しでLに問うライトに対して、Lは真顔で即答で「思います 見えます」と答えるシーン。

直後に二人はクロスカウンターで殴りあうわけだけど、この二人のせめぎあい、Lが最初から最後までライトをキラだと信じているのを全く隠す気がないという素晴らしいシーンだと思う。この漫画はこういう細かいシーンがとてもよく練られていて面白い。単に知恵比べするだけではないのだ。

さて、自分への追及をかわすためにノートの記憶を失ったライトだけど、記憶を失っただけで疑いが晴れるというのはちょっとしっくりこない。この状況ではノートのことは誰も知らないのだから、Lとしては疑いは晴らしてないけど決定的な証拠がないので監禁までする必要はないというところだろうけど、「キラの能力を失うことで記憶も失った」そして「ほとぼりが冷めたらまた取り戻す気でいる」と推測しているというのはカンが良すぎはしないだろうか。

とりあえず彼らはキラの裁きだと思える怪しい死を洗い続ける。そこでライトが見つけたのがヨツバグループだった。ヨツバに都合の悪い人物が不審な死を遂げていることと、そのことでヨツバの業績が上がっていることが見つかった。

通常ではこれくらいでキラのせいだという根拠にはならないが、疑うきっかけにはなる。本来なら別の疑惑があってもいいはずだけど、ここではヨツバ一本に絞って調べていくようだ。まあその方が分かりやすくていいからね。

しかしキラがヨツバと関係があるかもしれないといっても、実際にどう調べたらいいのか。そんなところでなんと松田さんが暴走して単独でヨツバに潜入してヨツバのキラ会議の場面に出くわしてしまう。そのまま会議を盗み聞きしていたところ、馬鹿だから見つかってしまい監禁されてしまう。ちょっと超展開すぎるでしょう。

ベルトに仕込んだ通信機によってL達に危機を伝えることが出来たので、なんとかミサを売り込むための行動だったということでごまかすことが出来た。そして酔っぱらったフリをして転落死を装って退場することに成功した。

さらにミサをスパイとして送り込むことになるが、その途中でなんとレムが見かねてミサに現在の状況を教えてしまう。ノートやレムの記憶のないミサだが、異常に察しがよくレムの忠告を聞き入れる。そして、そのことを皆に言わずにレムに示唆されたヨツバキラに鎌をかけて口を割らせることに成功する。

こうなるとあとは簡単で、火口を罠にかけて暴走させ、ノートで殺すところを抑えようという話になるわけだ。

ここら辺の展開はちょっと強引というか、ヨツバ特定に至る部分もそうだけど、論理的な捜査ではまずやらないことや想定外の事態(松田やミサの暴走、レムの助言)がヨツバキラ特定の原因であって、Lやライトの推理というのはその副産物に対してのものであったのが少し残念なところだ。それとやはりLの手先である女泥棒と詐欺男、こいつらが有能すぎるというか一番大変な部分をあっさりやってしまうのも少しチートなのかなと思った。こういう「いうのは簡単だけどやるのは大変な実作業」を簡単にやってしまう人がいるというのもこの作品の特徴ではあるが。

でもまあ、これでミサの疑いは晴れて自由の身になり、ライトはノートを再び手にしたことで記憶を取り戻し、まさに「計画通り」となったのだった。

この後はまさに急転直下。ミサもノートを手にして記憶を取り戻し、監視のなくなった状態で自由に犯罪者裁きを行うようになる。これは状況的にいってミサがキラだと言ってるようなものなのだが、ライトはあえてミサに疑いが及ぶようにさせていたのだ。

こうなると早かれ遅かれミサはまた監視されるだろうし、Lのことだからライトとミサの疑いが晴れた理由のひとつである「13日ルール」を、そしてそもそも死のノートの効果を検証しようとするのは当然のことである。もしそのことで13日ルールが嘘だったと分かれば、現状で一番怪しいのはミサ以外にあり得ないのだ。

当然ミサが捕まればライトも怪しいことになる。ミサはライトとキラの信者であるから、ライトがやらせていたと考えるのが当然だ。こうなるとノートの効果の検証は絶対にさせてはいけないということになるし、Lとしても真っ先にやらなければならないことである。

Lが外国にかけあって死刑をデスノートで行うことと、それに名前を書かせるのも死刑囚にやらせてノートの効果と13日ルールの両方を検証しようとしたところ、まずワタリが死亡した。その直後、Lも倒れてしまった。

これはレムが「ミサの幸せを望む」からこそ、このままLを放置したらミサに害が及ぶと判断したため、レムが自分のノートを使って両者を殺害したのだった。ミサにとってライトは神だし、ここでライトを殺したところでミサが捕まってその人生が終わることに変わりはない。ならば今一番ミサを疑っているLを殺し、ノートの検証をさせない以外にミサを救う手段がないからだ。

そしてレムはそれがライトの思惑であることを見抜いておきながら、ミサを助けるためにLを殺してしまう。死神の掟では、ノートで人を殺すことで別の好意を持った人間の寿命が延びるような結果になった場合、その死神も死ぬことになっている。ライトはそのことを知りながら、Lとともに厄介者であるレムまで葬ってしまったのだ。ここまではライトの計画は完璧である。

そしてここでもやっぱりLの死に際に見せる悪い顔。これほんとにやめないとダメだろう。というか、ワタリの死とLが倒れたこと、これが彼らの演技かもしれない可能性を全く想定していないんだよね。結果的には二人ともレムが殺していたけど、もしレムがそれを躊躇したり、ミサの危機であると気づいていなかった場合はどうしていたのだろう。

勝ち誇るような顔だけで何も口にしていないから言い逃れはできるんだろうけど、さらにLにライトがキラであることの確証を持たせるだけのことになっていた可能性もある。

状況的に考えにくいが、その事情を察したLがレムと一芝居打つという可能性もあったかもしれない。Lがミサの安全を保障したうえでLがレムに殺されたふりをしてライトの反応を見る、というイベントはあってもよかったかもしれない。で、できることならニアは変装したLで、最後のシーンでそれを明かす、という展開だったらもっと燃えるのになあ、と思った。

 

さて、この次はライトが警察庁に入り、正式にキラ捜査に関わり、父親がそのトップで実質的には二代目Lであるライトがキラ捜査の指揮をとるという「最強」状態になっていく。ただ、ノートの存在が明らかになっている以上、ライトが自分で裁きをすることは難しい。そこでライトは新たな代理のキラを立てるのであった。

 

つづく